インフルエンザの感染拡大が続く中、例年とは異なる傾向が見られています。特に注目すべきは、大人の入院患者が急増している点です。神奈川県・藤沢市民病院臨床検査科の清水博之診療科部長に、今シーズンの特徴と効果的な予防策について詳しく聞きました。
病床が逼迫する異常事態

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「11月末から12月初旬にかけて、インフルエンザによる入院患者が急増しました」と清水部長は語ります。「現在は新型コロナウイルスの患者も増加しており、病棟では常に30人前後のインフルエンザ患者と10人程度のコロナ患者を受け入れている状態です。退院があってもすぐに新たな患者が入ってくるため、ベッド不足が深刻化しています」
従来、インフルエンザで入院するのは主に熱性けいれんを起こしやすい子どもや水分補給が困難な乳幼児でした。しかし今シーズンは当初から成人の入院例が多いのが特徴で、「これまで経験したことない状況」とのこと。
大人の重症化リスク要因
清水部長によると、入院が必要となる大人には以下の共通点があるといいます:
- 血液中の酸素濃度低下(低酸素血症)
"多くの場合、インフルエンザそのものによる肺炎か、"二次感染として細菌性肺炎を発症しています"と説明。"肺炎球菌や黄色ブドウ球菌などの病原体に続けて感染するケースが多い"とのこと。
"H1N1型ウイルス"流行の影響 >
- ワクチン接種:"まだ未接種なら今からでも有効"
- 基本対策:"手洗い・消毒・適切なマスク着用"
- 環境管理:"換気&加湿でウイルス不活化"
- 免疫力向上:"十分な睡眠&疲労蓄積防止"
- 口腔ケア:"歯垢除去で誤嚥性肺炎リスク低減"
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【プロフィール】清水博之氏</h3>
京都府立医科大学卒業後,東京医科大病院,横浜市立大などを経て現職.小児科専門医,感染症専門医,臨床検査専門医として活躍中.<br><strong>資格:</strong>日本小児科学会認定小児科専門医/日本感染症学会認定感染症専門医/日本臨床検査医学会認定臨床検査専門醫.