近年、日本の若者たちの間で「恋愛離れ」が加速している。特に注目すべきは、最新の「第9回青少年の性行動全国調査」で明らかになった驚くべきデータだ。高校生のキスや性交経験率が過去最大級に減少する一方で、自慰行為は逆に過去最高を記録。この現象について、文筆家の御田寺圭氏は「コロナ禍がもたらした人間関係の変化が深く影響している」と分析する。
衝撃データ!高校生の恋愛行動に異変
2024年に発表された調査結果によると、現代高校生の恋愛行動には劇的な変化が見られる。男子生徒の場合、キス経験率は22.8%と前回調査から11.1ポイントも急落。女子生徒でも27.5%と13.6ポイント減少し、18年前と比較すると性交経験率は約半分まで低下している。これに対し、「一人で楽しむ」自慰行為は男女ともに右肩上がりで増加傾向にある。
新時代の価値観|「モテるより活動重視」派台頭
インタビューに応じた10代たちから浮かび上がったのは、「恋愛=ステータス」という従来型価値観からの脱却だった。「今どき『モテるのがカッコいい』なんて古臭い」「部活や趣味に熱中してる方がずっと魅力的」。御田寺氏によれば、「最近では『彼氏・彼女がいないこと』を気にする若者が減りつつあり、むしろ過度な執着を『ダサい』と感じる傾向さえある」という。
リスク回避思考|デジタルネイティブ世代ならではの発想
SNS全盛期を生きる現代っ子たちには、「リアルな恋愛リスク」に対する警戒感も強いようだ。「トラブルになりそう」「面倒くさい」「ゲームや動画のが楽しい」。特に男子生徒からはこうした声が多く聞かれ、「女性への配慮が必要と言われる一方で積極的になれないジレンマがある」(教育関係者)との指摘もある。
多様化するエンタメ|選択肢増加が招いたパラダイムシフト
背景にあるのは娯楽環境の劇的な変化だ。「昔なら恋人と映画を見に行っていた時間を今では配信サービスで過ごす」(大学生)。ゲーム・SNS・動画プラットフォームなど、"一人でも十分楽しめる"選択肢が爆発的に増えたことで、「わざわざ面倒な人間関係を作らなくてもいい」(高校3年男子)という考え方が広まっている実態が見えてくる。