健康意識の高まりや環境保護、倫理的な理由から、肉食を控える人が急増しています。最新研究によると、たとえ短期間でも植物性食品中心の食事に切り替えることで、体重減少や心臓機能向上などさまざまな健康メリットが期待できることが明らかになりました。
驚異的な減量効果と心血管系への好影響
植物ベースの食事で最も目立つ変化は体重減少です。米カリフォルニア大学アーバイン校の栄養学者マシュー・ランドリー氏によると、「高カロリーな肉料理を食物繊維豊富な野菜や全粒穀物に置き換えることで、自然と摂取カロリーが減り、満腹感も持続します」とのこと。
2018年の研究では、3ヶ月間ベジタリアン食を実践した参加者の平均体重が約1.8kg減少しました。さらに注目すべきは血圧改善効果で、6週間以上の実践で心疾患リスクが低下することが複数の研究で確認されています。
悪玉コレステロール値が劇的改善
スタンフォード大学による双子を対象とした画期的な研究では、4週間のビーガン食実践で悪玉(LDL)コレステロール値が100mg/dL未満という理想数値まで低下しました。動物性食品に含まれるこの有害物質は血管閉塞の原因となり、心臓発作や脳卒中の主要因となります。
腸内環境革命|善玉菌が活性化
ドイツ・マックスプランク研究所のベロニカ・ウィッテ博士らの研究によれば、「植物性食事への転換後わずか数日で腸内細菌叢に変化が見られる」とのこと。特に炎症関連細菌であるビロフィラ・ワズワーシア(Bilophila wadsworthia)が減少し、代わりに食物繊維分解菌が増殖することが確認されています。
免疫力アップ効果も期待大
2024年の最新研究では、たった2週間のビーガン食実践でウイルス防御機能に関わる免疫活動が活発化する可能性を示唆しています。スタンフォード大学チームは「免疫調整物質であるサイトカイン量にも短期間で顕著な変化が見られた」と報告しています。