作業着ブランドとして知られるワークマンが、全国67店舗を展開する女性向けコンセプトストア「#ワークマン女子」の名称を「Workman Colors」に変更する方針を明らかにした。2020年10月に1号店をオープンさせた同コンセプトストアについて、関係者は「強烈な店名が男性客の入店障壁になっていた」と改名の理由を説明している。
吉幾三氏がCMソングを担当しプロ向け作業着メーカーとして知名度を上げた同社だが、近年は事業戦略の迷走が目立つ。2018年には一般消費者向け業態「ワークマンプラス」を展開開始。機能性重視のアウトドアウェアやレインウェアがキャンプブームに乗ってヒットし、同業態は開店当初12店舗から現在643店舗まで急拡大した。一方でプロ向け主力業態「ワークマン」は800店舗以上から318店舗へ縮小している。
この一般消費者シフトにより、同社売上高は2018年度670億円から2023年度には1327億円と約2倍に成長。「防水機能付きでGU並みの低価格」(アパレル専門家)が支持された背景には、中国工場閑散期の発注や1000店舗超えによるスケールメリットがあった。
しかし最近では客足鈍化傾向も顕著で、23年度既存客数は前年比96%、24年度累計(10月末時点)99.5%と微減続き。特に24年10月単月では売上高85.5%と大幅減となった。「アウトドアブーム終息後も機能性偏重路線から脱却できず」(専門家)との指摘もある。
■二分化する事業戦略
特にトレンド変化の速い女性市場では苦戦しており、「Workman Colors」への改名は事実上の男性回帰戦略とみられる。一方21年12月には職人層からの要望を受け「WORKMAN Pro」も立ち上げたものの、展開は10店舗にとどまる。「もはや競合視されない」(業界関係者)との声もあり、プロ市場での存在感低下が懸念される。
現在進行中の"二正面作戦"(一般vsプロ)により顧客像があいまい化する中、"迷走経営"からの早期脱却が求められている状況だ。今後のブランド再編成動向から目が離せない。
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