日本では高齢化が進むにつれ、認知症の方が増加しています。家族や介護者にとって、認知症の方への適切な接し方を理解することは非常に重要です。しかし、何気ない一言が相手を深く傷つけたり、不安を増幅させたりするケースも少なくありません。医師の前田佳宏先生が、認知症の方と接する際の「NG行動」と「正しい対応法」を詳しく解説します。

絶対に言ってはいけない5つの言葉

「なんで覚えていないの？」
記憶力の低下は認知症の特徴です。このような言葉は自責の念を与え、精神的な負担となります。

「また間違えたの？」
間違いを指摘することで自信を失わせます。「優しく教える」「自然に流す」姿勢が大切です。

「もう何回も言ったでしょ！」
繰り返し質問されてもイライラせず、「大丈夫だよ」と安心感を与える返事を心がけましょう。

「自分で考えて」
判断力低下している方に考えることを強要するとストレスになります。選択肢を示すなどサポートが必要です。

「そんなこともわからないの？」
強い劣等感を与える可能性があります。「一緒にやってみよう」と寄り添う声かけが効果的です。

避けるべき5つの行動パターン

無視や放置： 孤独感から不安や怒りにつながります。積極的にコミュニケーションを取りましょう。

短気な態度： イライラは伝わりやすく混乱のもとに。常に落ち着いた態度で接します。

急かす行為： 動作がゆっくりになる特性があります。「時間はたっぷりあるよ」と余裕を持って対応しましょう。