暗号資産市場で注目を集めるビットコイン(BTC)が、過熱感を指摘される中で伸び悩みを見せている。一方、伝統的な安全資産であるゴールド(金)は堅調な上昇を続けており、投資家のリスク選好に変化が見られる。
アナリストたちは現在のビットコインバブルに警鐘を鳴らしている。CryptoQuantの最新分析によれば、BTCの適正価格帯は4万8000ドルから9万5000ドルの間と推定され、現在9万8000ドル近辺で推移する相場はやや過熱気味だという。
同社が算出するビットコインネットワーク活動指数は11月ピーク時から15%急落し、3760ポイントと過去1年で最低水準に。この背景には日次取引件数が9月の73万4000件から34万6000件へ53%も減少したことが影響している。
政治的要因も影響
2月3日の一時的な下落後も回復基調にあるものの、BTCは10万ドル突破に向けた勢いを欠いている。市場心理にはトランプ政権による「ビットコイン戦略備蓄」構想の進展遅れが重く圧し掛かっているようだ。
エリック・トランプ氏による投資推奨発言があったものの、これが価格押し上げ要因とはならなかった点も注目される。一方ゴールドは年初来9%超上昇しオンス当たり2882ドルの史上最高値を更新。6週連続上昇という快進撃を続けている。
NFPデータがカギ
今週注目: 米国労働省が2月7日に発表予定の非農業部門雇用者数(NFP)統計では前月比25.6万人から17万人へと雇用増加ペース鈍化が見込まれている。